民主主義の確立で
住民を最優先する自治体へ
国会の議会勢力、とりわけ衆議院の小選挙区選挙の勝敗にも影響を与える都道府県議会の議員は「中二階」といわれながらも、行政的 にも都道府県内自治体に大きな影響を与えています。その都道府県議会を支える市町村議会もその構成を変えることは大変重要となります。
新社会党は、昨年の参院選では「選挙闘争を通して組織をつくり、世代交代を図る」「国政も自治体も」を掲げました。しかし、党所属自治体議員の高齢化は深刻で、後継者擁立は切実です。一方、闘いのないところで組織建設はないことも自明です。自前の候補者を抱えて選挙闘争を主体的に闘う中で仲間の輪を広げ、こうした課題を前進させようとしました。
残り半年足らずの統一白治体選挙とその前後の中間選挙で、すでに新旧交代を含めた候補者決定が進んでいます。
しかし、「党員議員100名体制」をめざすとした方針には今なお遠く及ばないのが現状です。一定の報酬が得られる市議会には若手の保守系候補者が続々と立候補し当選しています。残念ながら社会の保守化と私たちの勢力の後退がそれを許しています。
そこで私たちはどのように運動を再構築するのか。自治体は市民生活の最前線ですが、国政に比べ関心が薄いというのが自治体選挙の現状です。その中で首長の行政影響力の大きさとは比べられませんが、自治体議員の役割もとても重要です。
自治体議員はその身近さゆえ、住民の声や暮らしぶり、求めるものを見聞きすることができます。そして、その声を行政の担当部門に届けて解決する。また、制度にかかわるものは政策化して提言し、議会や行政へはもちろん、市民運動に広げて、市民生活課題を解決する。そのことで議員や議会の評価を高めていくことです。
新社会党もそのようなことで、公契約条例を作らせたり、国民健康保険料を大きく引き下げた経験があります。一人でも所属議会や行政に大きな影響を与える議員は少なくありません。
党員首長でも議会の大きな抵抗を受けつつ、学校給食の無償化など市民が求めている政策や、地理的条件を活かして自治体の知名度を上げることに成果を上げた実績を持っています。また、過疎の中でその町らしさをアピールする政策を次々と実現し続けている自治体もあります。
新社会党もこのような実績に自信を持ち、貧囚と格差、過疎・過密の現状を分析して候補者擁立を図り、その当選に向けて全力をあげます。
自前の候補者が擁立できなくても、昨年の参院選挙で共闘した社民党などの野党との相互推薦や、共同の闘いをつくる市民と野党の共闘で共同候補を立てて、その自治体での社会的基盤をつくっていくことが求められています。
その目標は地域における民主主義の確立であり、住民の暮らしを最優先することです。
新自由主義はすべてを利潤の対象にし、その対象とならなければ切り捨ててしまう、それが今日の過疎過密問題を引き起こし、食料自給率の減少という国民生活を危機的状態に追い込んでいます。それはまた、地場の雇用となる農林水産業や製造業で得られるべき雇用の減少となっています。
30年以上続くこの流れを変えて、自治体民主主義、住民の積極的参加をつくりだす今年の自治体選挙で、誰かに頼るのではなく、みんなが力を合わせて勝利して、自治体を変えていく、そのことを追求して社会を変えていこうと、新社会党は考えています。